2010年代は米国株の時代でした。しかし、新興国は株価は横ばいでしたが確実に経済成長を遂げています。
つまり、2000年代後半のように再び新興国が輝きを放つ時代の準備が整えられてきたと考えています。
前回の新興国株を牽引したのは中国でしたが、次回の新興国株はどの国が地域が魅力的なのでしょうか?
今回は各国又は新興国全般に投資する投資信託やETFについて、ランキング形式に纏めました。各国を分析し随時更新していきます!
評価基準
【今後の成長力】
新興国として成長力が高い国かという指標です。単に成長力の高さでだけではなく、株式市場が上昇する段階にあるかという点を含めて評価します。
【政治・経済的安定性】
特定の産業に偏ってないか、特定の国に依存していないか、GDPが投資や貿易中心で依存していないかという観点からの経済的安定性を評価します。経済成長する前提が整っていても政治の混迷は経済停滞を引き起こします。政権は安定しているかという点も重要な構成要素になります。
【株式市場の魅力度】
政治と経済が魅力的でも株価が上がり過ぎている場合は投資家リターンは低くなります。株式市場は割安な水準であるのかかという点も当然評価に加えます。
【世界市場との相関性の低さ】
通常の新興国株は世界市場が下落する局面で同時に下落します。ただ内需中心の国であったり、外国人投資家があまり参入できていない市場においては相関性は低くなります。資産分散の観点からも相関性の低さを評価に加えます。
第1位:オリエントマネジメント
総合93点 | 遂に本格的に目覚めた中国の厳選銘柄に投資をするファンド。これから本格的に株価が上昇する局面にある中国に東大卒ファンドマネージャーが厳選した銘柄に投資をして高いリターンを狙う。 |
---|
成長力 95点 |
遂に中所得国の壁といわれる1人あたりGDP10,000ドルの水準を超えて、日本の1980年代の雰囲気を醸し出している。更にハイテク産業も勃興しており、成長力は依然として高い。 |
---|---|
安定性 85点 |
新興国の中では安定している中国に投資をしているので安定性は比較的高い。 |
株式市場魅力 97点 |
過去10年間急速に成長しているにも関わらず株価は横ばいで推移したので割安度が非常に高まっている。今後日本の1980年代後半のようなバブル相場も期待できる。 |
相関性の低さ 85点 |
世界の株式市場の動きを決定づける米国株式市場とは相関性は低いのでポートフォリオの一環としても優秀。 |
(要リンク更新)
オリエントマネジメントは中国の厳選銘柄に投資を行うファンドです。
中国は既に成長力が低くなっていると思われがちですが以下の通り成長力が高いインドネシアに比べても高い成長率を誇っています。
当然、企業の利益水準も上昇しており2008年時点に比べて3倍程度まで拡大しています。(以下は2018年時点での推計ですが2020年時点で概ね下記の通りになっています)
しかし、以下をご覧いただければわかる通り上海総合指数は2008年から殆ど横ばいの水準になっています。つまり、この10年間ずっと割安になり続けているということができるのです。
更に、1人あたりGDPは10,000USDという水準を超えてきています。
これはまさに日本が1985年に到達した水準です。そして重要なのがまさに1985年から日本はバブル相場に火がつきました。以下は日経平均の推移です。
まさに今後中国は日本のバブル相場を迎える状況にたっています。
オリエントマネジメントは日本株ファンドを10年間運用し素晴らしい実績をあげたファンドマネージャーが、中国に目をつけて運用を開始したファンドです。
以下で中国の魅力を含めて詳しくお伝えしていますので参考にしていただければと思います。
第2位:フロンティア・キャピタル
総合80点 | 苦境にあるイランの銘柄を厳選し、他の投資家に先駆けた投資で高い利益が期待できる。 |
---|
成長力 85点 |
米国との摩擦で苦境に陥っているイランに厳選投資をするファンド。状況の改善によっては大きな飛躍が見込まれる。 |
---|---|
安定性 50点 |
上昇する時も下落する時も価格の値幅は大きい。 |
株式市場魅力 82点 |
PER4倍や配当利回り20%といった驚異的な銘柄に投資できる |
相関性の低さ 90点 |
外国人投資家が殆ど参入していない国に投資しており世界市場との相関性は低い。 |
フロンティアキャピタルは今後株価上昇が期待できる新興国の厳選銘柄に投資をしてリターンを獲得することを狙う新興国投資ファンド。
現在同社が投資を実行している新興国の例としてイランの株式市場がある。現在、トランプ大統領から制裁を食らっていますが、バイデン大統領が誕生すれば制裁解除で株価の高騰が期待できる。
イランは制裁中ではあるものの、内需の著しい拡大により株式市場は堅調に推移しており株価は上昇を続けています。また、PERも4倍-7倍で配当利回り20%という銘柄に投資をしており日本や米国では考えられない投資を実行しています。
現在イランに投資ができる外国人・外国法人は1000にも持たず外国人投資家が殆どいないため、世界の株式市場に連動しないという特徴があります。
実際、フロンティアキャピタルはコロナショックで世界株式市場が20%-30%下落する中で、円建で20%以上の上昇を実現しています。
まだまだ勢いが止まることはなく、今後の政治的環境によっては更にリターン獲得が狙えるので絶好の投資環境に恵まれているということができるでしょう。
第3位:HSBCインドオープン
総合:78点 | インドは今後人口が伸びる超大国として期待されている国に投資できる投資信託。 |
---|
成長力 95点 |
今後人口は中国を抜き世界一となり、まだ経済レベルも黎明期であるため高度成長が長期間つづくことが期待できる。 |
---|---|
安定性 90点 |
内需中心の経済基盤を有しており、モディ政権は長期安定政権を確立している。 |
株式市場魅力 70点 |
誰から見ても魅力的な新興国であるため割高になっている。また外国人投資規制で直接個別株にアクセスできないので指数に連動するインデックスが存在しない。 |
相関性の低さ 70点 |
ADRという仕組みを使って外国人でも取引できる銘柄も存在しているので世界の株式市場の影響を大きくうける。 |
↓公式問い合わせページへ
▶︎HSBCインドオープン
インドは外国人投資規制で外国人が直接インド株式市場で外国人が株式を購入することはできません。ただ、ADRという仕組みを使うことで間接的に投資をすることができます。
同ファンドはHSBCがS&P IFC Investableという外国人がADRを用いて投資できる銘柄に対して、設定された時価総額加重平均インデックスに連動する運用を目指した投資信託です。
インドは言わずとしれた今後超大国となることが確実な誰が見ても魅力的な新興国です。人口動態は綺麗な三角形で今後もまだまだ増えて現在13億人の人口は将来的に16億人にまで増加することが見込まれています。また教育水準も高く、政治もモディ政権で安定しているのも追い風ですね。
ただ、インドの指数であるセンセックス指数は魅力ゆえに割高ですし、そもそもセンセックス指数に投資をする金融商品は存在しません。HSBCインドオープンもセンセックス指数には劣後しており、今後も劣後する成績となることは十分覚悟しておいた方がよいでしょう。
↓公式問い合わせページへ
▶︎HSBCインドオープン
第4位:MSCIフィリピンETF
総合:83点 | 東南アジアで現在最も期待できる新興国で成長力は高い。ただ割安であるのも問題点としてある。 |
---|
成長力 93点 |
東南アジアの後発国として今後株式市場の上昇も見込まれる経済水準となっている。 |
---|---|
安定性 88点 |
ASEAN諸国の中では珍しく中国依存が少ないのが特徴。 |
株式市場魅力 73点 |
インドと同じく明らかに魅了的であるため既に割高なのが難点。 |
相関性の低さ 77点 |
ある程度外国人投資家が投資できる環境が整っているため、世界株市場との連動性はある程度高い |
↓公式問い合わせページへ
▶︎MSCIフィリピンETF
MSCIフィリピンETFはMSCI(Morgan Stanley Capital International)社がフィリピンの株式指数との連動を目指すETFです。
フィリピンはシンガポール、マレーシア、タイに比べて出遅れていますが、1人あたりGDPは3000USDと今後株式市場が堅調に推移する水準となっています。
→ 急成長中のフィリピンの株式投資は魅力的!?本当におすすめの新興国株式投資について紐解く!
また、東南アジア諸国は中国に近いため中国の貿易依存比率が高いのですが、フィリピンは日本や米国といった安定した先進諸国とも貿易を行なっています。
ただ、インド同様誰の目から見ても明らかに魅力的なため、PERは20倍と割高の水準となっています。また、全ての銘柄に投資できるわけでもないのでフィリピン総合指数に比べると劣後した成績になってしまうというデメリットがあります。
↓公式問い合わせページへ
▶︎MSCIフィリピンETF
第5位:VWO
総合:75点 | 世界市場に時価総額ベースで1本で分散投資することができる |
---|
成長力 65点 |
新興国の中でも中国や台湾、ロシア、ブラジルといった今後成長が鈍化する国が多く含まれている。 |
---|---|
安定性 70点 |
米中冷静の様相を呈してきており政治的安定が全体として低くなってきている。 |
株式市場魅力 85点 |
2010年代は株価が低迷していたので割安度が増している。 |
相関性の低さ 60点 |
外国人投資家が殆ど参入していない国に、ファンドマネージャーが乗り込み証券口座を解説し取引しており世界市場との相関性は低い。 |
↓公式ページ
▶︎VWO公式ページ
VWOは新興国全体の銘柄の時価総額加重平均指数。新興国全体といっても中国と台湾だけで50%以上の比率となっており、ブラジルや南アフリカ、ロシアなどの今後経済成長が鈍化する国を含めると全体の70%程度となります。
ダイレクトに世界株市場の影響を受けコロナショックでも約30%近い下落となりました。全体にベットするという意味では良い選択肢ですが、魅力的な新興国に投資する比率は少ないということを念頭に入れた上で投資するのがよいでしょう。
↓公式ページ
▶︎VWO公式ページ