インドは2027年にも中国を人口で抜いて世界最大の人口大国になると目されています。
新時代の超大国はインドになるのではないか?と期待されている今後の新興国のリーダーとも言える国なのです。
当然、そんなインドの経済成長率は高く、株式市場にもスポットがあたっています。
本日はインドの国としての魅力をお伝えした上でおすすめできる銘柄をお伝えしていきたいと思います。
Contents
人口大国で政治が安定しているインド経済の魅力
まずインドという国じたいの魅力について簡単におさらいしていきましょう。
インドは伸び続ける人口大国で理想の人口ピラミッド
インドの人口は現在13億5000万人と中国の13億9000万円を猛追しています。
中国は一人っ子政策の影響で2030年を境に人口縮小に転じますが、インドは2055年まで人口は増加しつづけ16億5000万人程度まで上昇します。
人口は経済成長のドライバーなので今後も経済成長は確実に且つ加速度的に成し遂げられる見込みです。
人口構成上も綺麗なプラミッドとなっているので、今後生産年齢人口が増加していくのもポジティブな要因ですね。
更にインドは数学力が高く優秀な人材が揃いやすいというのもポジティブな要因ですね。今後ハイテク分野でも急激な成長が期待できる国となっています。
モディ首相が安定政権を築いている
新興国で成長がとまる要因として政治の混迷が挙げられます。
ブラジルが最たる例で、人口構成上も今から本格的に経済成長するという時に汚職事件が頻発して国の政治が混迷しました。結果的に比較的低い成長率に甘んじる結果となっています。
一方、インドはモディ首相は2014年に首相の座についてから安定政権を樹立し国民の人気も高くなっています。
成長率は加速しましたが、雇用の問題がのこっているので今後インフラ整備等の財政拠出が期待でき、更にインド経済が浮揚する可能性もあり期待できます。
インド株式市場を代表するセンセックス指数の動き
では個別株を見て行く前にインド株の代表的な株価指数であるセンセックス指数について紐解いていきたいと思います。
センセックス指数は新興国全体のパフォーマンスを凌駕
以下はインドで日本の日経平均にあたるセンセックス指数の推移となります。
2012年から約3倍に上昇したあと、コロナショックで40%程度の下落に見舞われ現在回復中という水準です。
どうしても、先進国中心で株式市場は動きます。
米国株市場が下落すると、投資家のリスクセンチメントが低下して新興国から資金を引き上げる動きが加速します。結果的に新興国株市場も大幅に下落することとなるのです。
では新興国全体の指数と比較するとセンセックス指数の値動きはどうでしょうか?
以下がセンセックス指数と新興国全体のETFとして代表的なVWOとの株価推移の比較は以下となります。
2018年から新興国全体が下落基調の中でインド株市場は上昇を続け新興国指数を大幅に凌駕した成績となっています。
センセックス指数にしっかり連動する金融商品は現状存在しない
センセックス指数は魅力的なのですが、現状投資信託やETFでダイレクトにセンセックス指数に連動する金融商品はありません。
比較的近い02836(iシェアーズS&P BSEセンセックス・インディア ETF)と、センセックス指数の値動きの比較が以下となります。
傾向としては似ていますが、センセックス指数に大幅に劣後していますね。
センセックス指数にしっかり連動する金融商品が組成できない理由としては次の項目で説明する事項が関係してきます。
インド個別株を購入するにはADRを利用するしかない
実はインドの株式市場に対して日本などのような海外から直接個別銘柄に投資することはできません。
しかしADRという制度を使うことで間接的にインド株を購入することが可能となります。
ADRの正式名称はAmerican Depositary Receiptで名前の通り、米国の銀行を利用することで日本の証券会社でも取引することができるようになります。
具体的には米国の銀行がインド支店でインド株を購入して、米国で上場をすることで米国の証券取引所で取引を行うことができるようになります。
日本の証券会社でも米国株上場企業に投資ができる会社もあるため、間接的にインド株に投資することができるようになるのです。
現在大手ネット証券である楽天証券から取引できる銘柄は以下の10銘柄となります。
ただ、全銘柄に対して投資できるわけでもなく、結果的にセンセックス指数に連動する金融商品を組成できない主因となっています。
インド注目個別銘柄①:HDFCバンク
新興国が成長して行く時には経済全体の潤滑油として資金を提供する銀行セクターが大きく成長します。
HDFCバンクは市中の商業銀行だけでなく、投資銀行業務まで幅広い銀行サービスを提供しています。
年度
|
2016/03
|
2017/03
|
2018/03
|
2019/03
|
2020/03
|
---|---|---|---|---|---|
売上高
|
625,428
|
725,554
|
843,465
|
1,041,714
|
773,550
|
当期利益
|
117,915
|
140,529
|
178,514
|
220,103
|
283,326 |
EPS
(INR) |
70.26
|
82.85
|
103.77
|
123.19
|
135.75
|
PER
(倍) |
32.91
|
34.07
|
35.71
|
28.86
|
26.12
|
配当(INR)
|
14.25
|
16.50
|
19.50
|
22.50
|
30.00
|
株価はコロナショックの煽りを受けて下落してから立ち直り最高値を更新しています。コロナショックがなかったとすると順調に右肩上がりに成長していきていますね。
インド注目個別銘柄②:インフォシステクノロジーズ
インフォシステクノロジーズはインドを代表するテクノロジー企業でアプリケーションの開発をはじめとして様々な分野を手がけています。
子会社と共に、アプリケーションの開発とメンテナンス、独立検証、インフラ管理、及び製品エンジニアリング・ライフサイクルソリューション・ビジネスプロセス管理を含むエンジニアリングサービスを含むビジネス情報技術サービス、コンサルタント、エンタープライズソリューション、システム統合及び高度なテクノロジーを含むコンサルタント・システム統合サービス、並びにその銀行ソリューションのフィナクルを含む知的財産を中心とした革新及びアナリティクス・クラウド・デジタル変換の分野での提供を加速するための製品・ビジネスプラットフォーム・ソリューションを提供する。同社は金融サービス・保険(FSI)事業、製造・ハイテク(MFG & Hi-TECH)事業、エネルギー・公益事業、通信・サービス(ECS)事業、小売・消費者パッケージ商品・物流(RCL)事業、及び生命科学・ヘルスケア(LSH)事業を含む。
以下業績推移をご覧いただきたいのですが売上も純利益も右肩上がりで上昇しています。インドのテクノロジーをリードする企業として申し分ない業績推移となっています。
年度
|
2017/03
|
2018/03
|
2019/03
|
2020/03
|
2021/03
|
---|---|---|---|---|---|
売上高
|
684,840
|
705,220
|
826,750
|
907,910
|
971,925
|
当期利益
|
143,530
|
160,290
|
154,040
|
165,940
|
167,818
|
EPS
(INR) |
31.40
|
35.54
|
35.43
|
38.97
|
39.75 |
PER
(倍) |
18.82
|
18.78
|
23.19
|
23.67
|
23.15
|
配当
(INR) |
12.18
|
13.97
|
22.01
|
24.07
|
24.75 |
株価はコロナショックで一旦落ち込んでからハイテク企業の波にのり株価が急激に上昇しています。勢いに乗っている企業であるといえるでしょう。
本当に魅力的な新興国とは?
インドは魅力的な経済と政治環境が整っており、新興国で今後最も大きく成長する企業であることは間違いありません。
ただ、まだ国民自体が貧しいので本格的な上昇にいたっていません。日本でいうところの1970年代の水準です。
日本も株価が本格的に上昇をしたのは1980年代中盤に入ってからです。まさに今そのような国の魅力的な銘柄に投資することで大きなリターンを狙うことができるのです。
以下で魅力的な新興国の投資ファンドについてランキング形式でお伝えしていますので参考にしていただければと思います。